現在、日本人の約8割が血液検査でスギ花粉に陽性反応を示すと言われています。しかし、そのうち実際にスギ花粉による症状が出ているのは約半数程度にとどまります。
3月から5月にかけては、気温の変化や黄砂、PM2.5などの刺激性物質が多く飛散する時期でもあり、これらに反応しているだけなのに「スギ花粉症」と思い込んでいる方も少なくありません。
血液検査でスギ花粉が陽性であっても、それだけでスギ花粉症と診断できるわけではありません。実際にスギ花粉の飛散量が増えた際に症状が悪化するかどうかを確認しなければ、本当にスギ花粉に反応しているとは言えないのです。
スギ花粉症であれば、2月初旬から少しでも症状が現れるようであれば、シーズン終了まで治療を継続する必要があります。一方、スギ花粉症でない場合には、症状がおさまった段階で治療を中断しても問題ありません。
なお、先日ご説明したスギの「舌下免疫療法」は、スギ花粉症であることが前提です。スギ花粉症でない場合には、この治療法の効果は期待できません。