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抗菌薬 と感染性咳そう 多摩総合医療センターの本田先生のお話し②

今日も本田先生のお話し、 感染性咳嗽 における 抗菌薬 の適応です。
感染性咳嗽における 抗菌薬の適応
抗菌薬適正使用の 機運が高まる中、外来診療における抗菌薬の 適応の見直しが なされている。咳嗽を 主訴に来院する患者は 必ずしも感染症で 咳嗽を起こしている わけではない。 しかしながら、 外来では検査も限られており、感染性の咳嗽、 非感染性の咳嗽、 さらには感染性の咳嗽の中で 抗菌薬の適応疾患の 判断が難しい。 実際に咳嗽を 主訴にする感染症に おいて抗菌薬の適応疾患は Bordetella pertussis (百日咳)、 Mycoplasma pneumoniaeの 下気道感染症、 Chlamydia spp.の 下気道感染症などに 限定される。  マイコプラズマ感染症は 学童との接触があるか、 地域での発生の度合いなどが 加味され診断の 契機と なることが多い。 クラミジアによる呼吸器感染症は 疑う状況も診断自体も難しいことが多いのが 現実である。 百日咳も臨床的な診断が 必要である。 特徴的には発作的な咳嗽などが あげられる。
特に百日咳に関しては、 ワクチン接種との関係や、 昨今のPCRのような迅速検査の導入により 報告数の増加を見ており、 積極的な診断が 望まれる疾患である。
しかしながら、 急性気管支炎における抗菌薬投与は 全般的には利益がほとんどない状況で、 症状緩和のために抗菌薬が安易に 処方されるべきではない。 さらに抗菌薬の過剰な使用が さらなる問題を引き起こす可能性が あるからである。
上記の通り迅速検査に関しては少しずつではあるが、 保険適応が拡大している。 具体的にはマイコプラズマの迅速検査、 百日咳の迅速検査である。 これらはPCRと同様の 検査であり、 検査の精度もある程度高く、 比較的短時間で検査を 履行できる。 しかしながら実際の 外来診療では その検査の適応など 臨床的には明確でない ところも大きく、 やはり臨床医のそれらの疾患の見積もりを 明確にできるように するための臨床力が 問われているのは 事実である。
また、 百日咳に限って言えば、 ワクチンがあり、 ワクチンで予防できる疾患 (vaccine preventable disease:VPD)であることの 認識が必要である。 成人でも百日咳を発症している 状況があることから、 ワクチンの必要性は より議論されるべきであるし、さらには不要な抗菌薬の処方を減少させるためにもワクチン接種の必要性はより認識されるべき事象である 。
肺炎に関しては 臨床診断、 胸部レントゲン写真などから 総合的に判断されるが、 必ずしも胸部レントゲン写真が撮られるわけではないため、 診断が時に 難しい状況が存在する。 また日本は結核の 中蔓延国であることから、 特に高齢者においては 結核の可能性はいつも念頭に置いたような プラクティスが必要になることも 強調されるべきである。
これら総合的に 判断するにあたり、 感染性咳嗽においては 原則論としては抗菌薬は 必要のないことが多く、 さらに抗菌薬が 必要な病態はできる限り 微生物学的な診断を行ってすることが 望ましい。
*ここでいう迅速診断とはインフルエンザの様に外来ですぐにできるものではなく、LAMP法と言って検査センターで数日で結果が出るもの(病院などでは院内で測定し数時間で結果が出ることもあります。)です。マイコプラズマなど診療所でも可能な迅速診断は精度が低いことが知られています。マイコプラズマのLAMP法診断については→こちら
感染性咳そうに関しては→こちらも参考にしてください。

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