様々な刺激で 気管 、 気管支 の 平滑筋 が収縮し 気道が狭窄 する。また患者は 呼吸困難感 の 感度 が鈍くなっており症状が出にくい。
早朝に 気道狭窄 があっても 起床後 比較的早期 に 気道狭窄 が 正常化 するため 診察時 には 呼吸機能検査 をしても 状況 を 把握 できない。
そのため 医師 、 患者 ともに 重症度 に対する 評価 が甘い。

まず 問診 が 大切 である。 発作性 の 呼吸困難 、 喘鳴 を 診断 の 根拠 とすることが多いが、それだけでは 喘息 を見逃す。 息切れ 、 咳 、 胸痛 のみを訴える 喘息 もあるので 注意 が 必要 である。
聴診 も 重要 であるが 発作 がないときはもちろん 発作時 でも 喘鳴(ヒューヒュー音) が 聞こえない ことが少なくないので 注意 が 必要 である。
受診時 に 喘鳴 が聞こえなくとも 症状 があるときに 本人 または 第三者 に 喘鳴 が聞こえた場合は 喘息 である 可能性 が高くなる。
次に 肺機能検査 にて 気道 の 狭窄 があるかどうか 確認 する。 気道狭窄 があり 治療 により 改善 した 場合 は 喘息 と 診断 できる。
非発作時 には 気道狭窄 がないことが多くそれだけでは 否定 できない。 一般的 には 正常 とされても 気管支喘息 は 治療 によりさらに良くなることが少なくないので 注意深く 判断 する。
問診 、 肺機能検査 で 診断 がつかない 場合 は ピークフロー値 の 測定 が 重要 である.気流 の 速度 を測る 簡易測定器 でこの 速度 は 気道の狭窄 とほぼ 比例 する。
早朝 と 午後 に 自己測定 する。 早朝 の値が 自己最良値 の80%未満であれば 異常 とする。図2に 症状 がない 気管支喘息患者 の ピークフロー値 の変動を示す。
このように 無症状 でも 早朝 に ピークフロー値 が下がっていることが少なくない。
ここまでで 診断 がつかない 場合 は 薬剤 を用いた 誘発試験 をするが一部の 医療機関 でしか施行できない。
呼気中一酸化窒素濃度 の測定も 注目 されているが 当院 では 現在 導入 を 検討中 である。
当院 では 喘鳴 は聞こえなくても 気管支拡張剤 による 症状 ( 息苦しさ 、 咳 、 胸痛 など)の 軽減 を 重要 な 診断 の 根拠 としている。