長引く咳 の診療 について(咳は内科外来で最も多い症状です。) - 武蔵小金井の山崎内科医院|総合内科・アレルギー専門医|健康スポーツ医

長引く咳 の診療 について(咳は内科外来で最も多い症状です。)

 長引く咳 の診療


内科外来において 長引く咳 を訴えて来院される患者さんは多いです。しかしいたずらに 咳止め や抗生剤が処方されたり 咳喘息 と言われて投薬されることが少なくありません。きちんと診断し治療をすることが大切です。(これからの記載にはエビデンスにはない私(山﨑院長)の経験、私見も含まれております。)

 遷延性咳そう とは3週以上持続する咳を唯一の症状とし、(軽度の漿液性の痰はあってもいい)

 胸部レントゲン に異常なく、息苦しさ、喘鳴を診察時以外の時期を含めて認めない場合に遷延性咳そうといいます。
初診時に胸部レントゲンと詳細な問診、聴診は必須。8週以上持続する場合 慢性咳そう といいます。

当院では強制呼気で喘鳴が聴取する場合も 気管支喘息 疑いとして遷延性咳そう、慢性咳そうからはずして考えいます。
上記定義から少し外れますが、臨床的な重要性より3週以上咳が持続するが胸部レントゲンに異常がない咳を長引く咳とします。

長びく咳をきたす疾患

感染後咳そう

気道感染の後、気管支粘膜が損傷し一時的に咳が出やすくなる状態。呼吸するだけで咳が出てしまう状態。
気道感染がなくてももともと咳の感受性が亢進し咳が出やすい人も存在します。
私は疾患というより個性の一つと考えており、長引く咳の中で最も多いと思います。
◆有効:麦門冬湯

アトピー咳そう

中枢の気管支に好酸球性炎症がある疾患で咳の感受性は亢進しているが気管支は収縮しない。
咳喘息と誤認されることが多い。
◆有効:ステロイド
◇無効:気管支拡張剤

咳喘息

中枢から抹消までの気道に好酸球性炎症があり、刺激により気管支平滑筋が収縮し咳が出る疾患。
30%が気管支喘息に移行すると言われるため吸入ステロイドによる長期治療が必要とされます。
きちんと問診すると咳以外に息苦しさ、喘鳴(ヒューヒューする音)が受診時以外にあります。
聴診で大きな呼吸をさせると喘鳴が聞こえる、といったことを見逃し気管支喘息と診断すべきところを咳喘息と誤認されていることが多い。
文献的には遷延性、慢性咳そうのなかで一番多いとされるが、気管支喘息と診断すべき例をきちんと除外するとそれほど多くない印象があります。
きちんと問診や聴診で気管支喘息を除外しても閉塞性肺機能障害があったり、ピークフローを測定すると日内変動、日差変動がある例が存在します。
これらは現時点での診断は咳喘息だが本来気管支喘息と診断すべきと私は考えます。
◆有効:ステロイド、気管支拡張薬

気管支喘息

咳喘息と誤認されていることが多い。長引く咳の中では感染後咳そうに次いで多いと思います。

鼻空気管支症候群

黄色の鼻汁、後鼻漏、鼻閉、咳払いを伴う疾患です。
◆有効:14印環のマクロライド

アレルギー性鼻炎

水様の鼻汁、後鼻漏、鼻閉、咳払いを伴う疾患です。
◆有効:抗ヒスタミン剤、噴霧ステロイド

胃食道逆流

胃液が食道に逆流することによりいろいろな刺激により咳が出やすくなる状態で酸分泌抑制薬が有効。

慢性気管支炎

主に喫煙が原因の咳で、気道狭窄を伴う場合はCOPDとなります。

喉頭アレルギー

喉頭のアレルギー炎症による咳。

百日咳

咳が長引いたときはすでに百日咳菌は生体内に存在しません。
 百日咳感染 の後の 感染後 咳そう と考えます。
◇体内に百日咳菌がいないため、薬剤は無効なことが多い。

マイコプラズマ、クラミジア感染

病原体が存在しているときと既に消失しているときがあります。
感染後咳そうと考えられる場合とマクロライド系抗生剤が有効な気道感染症の例がある。
長びく咳のなかに多くあるという報告もあるが私の経験上、マクロライド系抗生剤にてのみで咳が消失した例は少ない。
マクロライドが有効な場合は抗菌作用よりも抗炎症作用により咳喘息、アトピー咳そう、副鼻空気管支症候群などに効いてしまった可能性があると考えます。

薬剤性咳そう

アンギオテン変換酵素阻害薬(降圧剤)による咳。薬剤の中止が治療になります。

私の長引く咳の治療方針

問診で疑った疾患に特異的な治療で咳が消失したら治療終了、再発時には同様の治療を行う。
主に気管支拡張剤の吸入と吸入ステロイドで治療を開始し、気管支拡張剤が咳に有効な場合は咳喘息として治療します。
無効で吸入ステロイドが有効な場合は アトピー咳そう として治療し咳が焼失したら治療終了。
両方無効な場合は疾患特異的な治療を行い、効果があればその疾患と診断します。
咳喘息と診断した場合は 吸入ステロイド 、気管支拡張剤で治療を行います。
咳が消失しても最低1カ月治療続け、肺機能検査を実施する。
その後気管支拡張剤を中断し1-2か月後、再び肺機能検査を施行。
肺機能が悪化または咳が再発していれば気管支拡張剤を再開し、気管支喘息として治療を行う。
悪化していなければさらに吸入ステロイドを減量し ピークフロー値 を測定する。
1-2か月後肺機能検査を施行。肺機能の悪化または ピークフロー値 の 日内変動 がある場合は治療を元に戻し 気管支喘息 として治療を行う。
咳の再発があればもちろん治療を元に戻す。いずれも悪化なければ中断する。
中断したのちも悪化があればもちろん治療を再開する。
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