風疹抗体価の評価 例 陽性でも意味がこんなに違う - 武蔵小金井の山崎内科医院|総合内科・アレルギー専門医|健康スポーツ医

2019年 6月 28日

風疹抗体価の評価 例 陽性でも意味がこんなに違う

今日は 風疹抗体価の評価 についてです。以前テレビで小泉信次郎氏が風疹予防接種の推奨をしていました。そして自分は抗体価が十分だから接種しないでいいと言っていました。本当でしょうか?そんなこと言っていいのでしょうか。正確には風疹の感染歴、予防接種歴が1回か無い場合は抗体価にかかわらず接種ではないでしょうか。来院された人を例に接種の必要性について説明します。→以前の風疹抗体価につても記事はこちら

接種歴が1回は確かだが2回目は不明とのことでいらした27歳女性。抗体価はE!A法で10.5でした。厚労省は8以上の場合抗体価は十分と言っていました。この基準を用いて自治体は8未満の人は一部助成しワクチンを接種します。国が全額補助する基準は6未満になっています。この方が1回しか接種していなければ来年以降、抗体価が8未満に下がる可能性は高いです。1回の接種の場合20年くらいで5%くらい抗体価が下がります。27歳であれば今後年数がたてば下がる可能性は高いです。そのため毎年抗体価を測定するのはわずらわしいので、2回目の接種が確実でなければ近いうちに自費で接種することを勧めました。

接種歴なし、風疹罹患歴不明の53歳の女性。抗体価はHI法で512倍。HI法は32倍以上は十分な抗体価があるとしています。これだけ抗体価が高ければさすがに問題ないと思われます。おそらく知らないうちに風疹に感染していたと思われます。

接種歴なしで国の補助で抗体価を測定し7.3だった人がいます。この場合は自治体の基準を用い一部自治体の助成でワクチンを接種することになります。ただし小金井市の方ではないので当院では接種すると自費になるのでお住いの地域で当院の検査結果をお持ちになり接種することになると思います。

このように同じ抗体価が十分でも意味が全くことなります。厚労省の方針のみでなく、個別に指導を変える必要があります。ものすごく面倒です。

例えば53歳の女性が1回だけ予防接種をしていてH!法で抗体価が64倍だったとしたら。50年近くたって抗体価が保たれていればおそらくこの後、抗体価は下がらないし、今後妊娠はしないと思いますので、2回目の接種はしないでいいだろうと判断します。32倍だったら難しいですね。20歳の女性が同様なら、今後抗体価が下がる可能性がたかく、妊娠する可能性は極めて高いので2回目の接種を自費ですることを勧めます。

免疫が十分かどうかは抗体価だけではわからず、抗体を産生する細胞を助ける細胞や直接ウィルスを殺す細胞の作用など複雑です。抗体価の高さは免疫能の一つの指標でしかないことは覚えておきましょう。