副鼻腔気管支症候群 湿性咳そうではこれを考える - 武蔵小金井の山崎内科医院|総合内科・アレルギー専門医|健康スポーツ医

2019年 6月 18日

副鼻腔気管支症候群 湿性咳そうではこれを考える

小金井市山崎内科医院長の山崎です。今日もお付き合いください。 副鼻腔気管支症候群 についてです。

咳が長引く場合、聞き忘れてはいけないのは鼻症状の有無です。透明な鼻汁を繰り返す場合は前回のアレルギー性鼻炎。粘調で黄色の鼻汁を繰り返す場合は副鼻腔気管支症候群を考えます。慢性副鼻腔炎に咳を伴った状態と考えますが、耳鼻科的なレントゲンで副鼻腔に必ず影があるとは限りません。鼻粘膜所見がないこともあります。耳鼻咽喉科で副鼻腔炎はないと言われてもこの病態を否定しないのが我々の考え方です。黄色の鼻汁を繰り返し、咳が長引く場合はこの病態を考えマクロライド抗菌剤の少量投与を行います。マクロライドには抗菌作用だけではなく、抗炎症作用、免疫力強化作用などがあり少量だと抗菌作用がほとんどなくなり、これらの作用が前面に出ます。エリスロマイシンという薬を通常は1日に800-1200mgくらい使用するのですが私は400mg投与します。抗菌剤を十分量使用しすぎると耐性菌ができて感染症のコントロールがしにくくなりますのでむやみに使用できません。少量とはいえ一時的に抗菌作用が生じる濃度にはなるので耐性菌ができないわけではありません。そのため使用には注意が必要です。このエリスロマイシン400mg投与が最も耐性菌ができにくくなる方法と考えています。マクロライドで抗菌作用がない薬が開発されたのですが採算が合わないからと上市されなかったといううわさがあります。厚労省が十分な薬価をつけなかったのですね。ひどいです。副鼻腔に炎症があると気道の反応性が高まる、後鼻漏により咳が誘発される、気管支炎を合併しやすい、などが咳が出る理由と言われています。

もちろん発熱、膿性痰、頬部、前額部に圧痛があるばあいは中等度以上の急性副鼻腔炎ですので十分な抗菌剤が必要です。